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日韓トンネルが拓くユーラシア新時代
野澤太三

  


 単行本:ユーラシア新時代のための韓日トンネル
 単行本:ユーラシア新時代
 のための韓日トンネル
 単行本“ユーラシア新時代のための韓日トンネル(ページ数278)”は、韓国の釜山にある社団法人韓日トンネル研究会2021年8月31日に発行した単行本です。
 この本の発行人である社団法人韓日トンネル研究会のソ・イテク、イ・ヨンフム共同会長は発刊の辞のなかで日韓トンネルの経緯について次のように語っています。「1981年11月10日、ソウルの世宗文化会館で開かれた第10回科学の統一に関する国際会議(ICUS)でムン・ソンミョン(文鮮明)総裁が国際ハイウェイプロジェクトの一環として韓日トンネル構想を発表した。国家間の閉ざされた道を結び、国境をなくし世界平和を実現しようという発想であった。以後、1990年5月にノ・テウ(盧泰愚)大統領が日本の国会演説の中で韓日トンネル建設事業を提案し、1999年9月の韓日首脳会談でキム・デジュン(金大中)大統領もこの事業を肯定的に評価した」。そして地球村実現のための努力を続けていくと述べています。


この本では日韓トンネルに関する下記14名(韓国12名、日本1名、米国1名)が執筆しています。
 1.チョン・テイク(韓国外交協会顧問、前青瓦台外交安保首席)
    【題目】韓日トンネルは東北アジア平和共同体の土台
 2.野澤太三(日韓トンネル研究会会長、前日本国法務大臣)
    【題目】日韓トンネルが開拓するユーラシア新時代
 3.イ・ヨンフム(韓日トンネル研究会共同代表)
    【題目】世界平和のための韓日トンネル提案
 4.シン・ジャンチョル(崇実大学日本語日本文学科教授、日本経済専攻)
    【題目】韓日トンネルの検討課題と期待される効果
 5.イ・ウォンドク(国民大学日本学科教授)
    【題目】対日関係改善のための政策提言
 6.パク・ソンヨル(UPF釜山広域市支部長、世界平和道路財団諮問委員)
    【題目】韓日首脳間の韓日トンネル論議
 7.ホ・ジェワン(中央大学名誉教授、国土部中央都市計画委員長)
    【題目】韓日海底トンネルの経済性と地域開発効果分析
 8.ステファン・コステロ(ジョージ・ワシントン大学 韓国学研究所教授)
    【題目】韓日トンネルの経済/戦略/政治的役割
 9.パク・チャンフィ(キョンソン大学新聞放送学科教授、前国際新聞記者)
    【題目】歴史・文化的観点から見た韓日トンネル
 10.イ・ジョンチュル(釜慶大学土木工学科名誉教授)
    【題目】第4次産業革命技術を適用、海底トンネル建設技術の大きな跳躍
 11.チョン・ホニョン(釜山大学都市工学科教授)
    【題目】韓日海底トンネルの建設による旅客及び貨物需要の展望
 12.キム・サンファン(湖西大学土木工学科教授、前韓国トンネル地下空間学会長
    【題目】韓日トンネルの最適路線はどこか
 13.キム・インホ(市場経済研究院理事長、前韓国貿易協会長)
    【題目】東北アジアの経済秩序の再編と韓日単一経済圏の形成
 14.イ・ガンセ(慶南大学極東問題研究所長、前統一部次官)
    【題目】韓日海底トンネルで「平和」の想像を現実のものに


 レポートは全て韓国語ですが、当研究会(特定非営利活動法人日韓トンネル研究会)が独自で野澤太三会長のレポートを日本語訳したもの以下に掲載します。

 

日韓トンネルが拓くユーラシア新時代

野澤太三(日韓トンネル研究会会長、元法務大臣、工学博士)

 
 野澤太三

Ⅰ.日韓トンネル研究会創立の背景
 
1.日韓新時代に向けて
 私は「どうしたら日韓トンネルが実現できるのか」という観点から情報を差し上げたいと思います。
 東アジアは、今後、飛躍的な発展が期待される地域です。日韓トンネルは物流を主体にその流れを加速し、東アジ
ア経済共同体を実現する具体的なプロジェクトとして大きな可能性を持つものです。いずれは北朝鮮や中国も参加した取り組みが成立し、東アジアに共存共栄の時代が来ることを切に念願するものであります。日韓トンネルは、将来、シベリア鉄道やシルクロードとも連結し、欧州への道を開く可能性も備えています。海路を経由するより距離も時間も費用も低減できる陸路の実現は、アジアと欧州の交流を進め、世界平和の道を開くことが期待されます。

2.日韓トンネル研究会創立の背景
 私がこの日韓トンネル計画に参画したのは参議院議員に当選した1986年の選挙後で、日韓議員連盟の加入と併せて日韓トンネル研究会に入会した時からです。
 その当時の会長は北海道大学名誉教授の佐々保雄先生でした。佐々先生は地質学者として日本の本州と北海道を結ぶ青函トンネルの建設に永年携わっていました。第一次南極越冬隊隊長として知られ佐々先生も兄事する西堀栄三郎博士から韓国での国際会議のリーフレット「インターナショナル・ハイウェイ」を手渡され、そこに示された「日韓トンネル建設」に深く心を動かされ、1983年に「日韓トンネル研究会」を創設し、初代会長に就任しました。4つの専門部会を設置し、青函トンネルの建設に従事した多方面の学者・技術者が核となり、日韓トンネルに関わる政治、経済、文化、地形、地質、設計、施工、環境、気象、海象など広範にわたる調査・研究を展開しました。
 2代目の持田豊会長は、青函トンネル黎明期の地質調査を皮切りに完成に至るまで建設工事に携わり、その実績からテクニカル・アドバイザとして英仏海峡トンネルの建設にも貢献しました。持田会長は「地域の持つ個性は大切にしながらも世界は一つ」という信念のもとで日韓トンネルの重要さと技術的可能性を説き、プロジェクトの推進を主導しました。
 3代目の高橋彦治会長は、地質学者として東海道新幹線のルート選定や青函トンネルの施工などに携わり、日韓トンネル研究会が設立された1983年当時から常任理事として会の運営の中核的役割を果たし、会長就任の後、日韓トンネルの調査研究の客観性を図るため、当会を特定非営利活動法人(NPO)として再発足させました。

 佐々保雄初代会長    持田豊 二代目会長    高橋彦治 三代目会長
 佐々保雄    持田豊    高橋彦治


Ⅱ.日韓トンネルの路線と工事費の研究

1.路線の平面線形
 私が日韓トンネルのルート選定や設計、施工法について積極的に発言したのは2006年に4代目会長を引き受けてからです。路線の選定はトンネルの建設費を具体的に定め、利用上の見通しを立てる上で最も重要な仕事になります。トンネルが海底を通るという難しい課題を克服するため、建設と保守の観点から最適の路線を選ぶことが肝心です。 
会長就任後、日本国内の唐津、壱岐、対馬だけでなく韓国の釜山市、加徳島、巨済島周辺などを自分の足で歩き、自分の目で確認し、その結果を平面図に盛り込みました(図-1)。
 起点・終点は経済的に発達し、人口配置が最も優れた都市である福岡と釜山となります。鉄道、高速道路、空港、港湾など両国の既存インフラをできるだけ活用し、効果を最大にする必要があります。
 路線は、海底部の最大距離が短く水深が浅いことが大原則です。そこに地質や断層の性状など客観的情報を積み重ねて判断することが大切です。最終的な路線は正式に決まった事業主体が最も合理的で効果の高い路線を決定します。

日韓トンネルのルート概念図
 図-1 平面図


日韓トンネルの緒元 
 図-2 緒元

2.路線の縦断勾配
 路線の縦断を決定する大きな要素は、トンネルの勾配と海底地形です。勾配はトンネルの鉄道利用を前提とすると貨物列車と新幹線など高速列車が利用することから青函トンネルの12‰から英仏海峡トンネルの15‰の間の選択が最も実現可能性が高いですが、今後一層の検討が必要になると思います。曲線半径は将来の高速化を考えて6,000m以上あれば十分であり、速度制限やカント、スラックという問題も克服できます(図-2)。
 トンネル上端から海底までの地層の厚さ(土被り)は、山岳工法による掘削の可能性とトンネルの安全性を確保し、海底炭田の経験などを踏まえ、まず100mと考えています。また壱岐、対馬など島しょ部の各駅は全て地上駅とし、工事中は施工基地として、完成後は車両基地として利用できるようにします。


3.トンネルの断面形状
 日本の青函トンネルは複線断面で大断面のトンネル1本に往復の軌道を敷いています。これは山岳工法を前提とし主として薬液の注入作業の効率化を考慮して1本に集約したためです(写真-1)。
 一方、英仏海峡トンネルでは単線並列型で比較的小断面の単線トンネルを2本掘り、それが両方とも往復できるようになっています。トンネルの途中にはシーサスクロッシングが入っており、一方の単線から他方の単線へ列車を入れ替える仕組みがあり、保守やトンネル内の火災発生など万一の事故の際に対応し易くなっています(写真-2)。
 日韓トンネルの場合、水深が大きく水圧も高くなるため、トンネル掘削機の設計や保守の面では小断面が有利で、列車のすれ違い時の安全性確保についても英仏海峡式の単線並列型が有利と思われます。断面形状は地質や保守管理、工事費用なども考慮して決めることになるでしょう。

 青函トンネル 複線断面    英仏海峡トンネル 単線並列
 写真-1 青函トンネル    写真-2 英仏海峡トンネル


4.施工法
 日韓トンネルの最深部は対馬と韓国間の海峡で、水深は概ね160mから230m程度です。青函トンネルや英仏海峡トンネルに比べてかなりの大水深となります。施工法はトンネルボーリングマシン(TBM)工法を主体としたシールド工法による高速掘削が考えられ、一部は山岳工法、ごく浅いところは部分的に沈埋工法も検討するという3つの組み合わせになるでしょう。工法の選定には何よりも海底トンネルの建設の可能性が最も高く、安全な施工ができることが第一であり、併せて将来の使い方、利用ができるだけ便利になるように配慮することが重要です(写真-3)。

5.利用方法
 日韓トンネルをどう利用するかですが、まずは新幹線とKTXが相互に乗り入れ、それぞれソウルあるいは大阪、東京まで列車が行き来することを提案します。日本の新幹線E5系はやぶさは、すでに海底トンネルを通過できる仕様になっています。韓国のKTXはまだ海底トンネルの経験はありませんが、同じ仕様のユーロスターはすでにパリとロンドン間の海底トンネルを通っていて、飛行機よりも早く大変好調な成績を収めています。そういった技術を導入すれば十分可能と思います。 
貨物列車による運搬は、コンテナ専用に特化する必要があります。貨物をコンテナに入れ貨物列車でトンネルを通過します。トラックなどの積み荷はそのままカートレインで運びます(表-1,写真-4,写真-5)。
 車での輸送は近年、電気・水素自動車の実用化、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)の連携による自動車の安全制御や各種点検項目のモニタリング機能向上などが急速に進み、かつての運転者の心理上の負担、排気ガスの処理などの課題は解消しつつあり、さらなる技術革新を期待できます。長距離、大水深下のトンネル空間での安全・安定・高速・大量輸送を考慮し、車を列車に載せたカートレインでトンネル内を往来しトンネルの出入り口付近で車を解放する、所謂ハイウェイトレインという考え方を提案しています。(続次号)

 トンネルの使い方
 図-3 利用方法


6.建設費用
 工事費の算出のためにまず必要なことはルートを決めることです。断面はサービストンネルの必要性とその配置により変わります。施工法の選択により工事費は大きく左右されるので適切な施工法を決めます。これに基づき各種実績を勘案して工事費を積算見積します。水抜きシステムの準備も必要です。それらを勘案し青函トンネルや東京湾横断道路などの事例を参考に、私どもは目下非常に概算ですがトータル270kmの工事費を約10兆円と見込んでいます。この数字は今後の調査並びに計画設計により変わるので、調査研究の進捗によりさらに内容を精査し、積み上げ、これを具体化することが大変大事です。しかし、ある程度の目処がつかないと議論ができませんので、とりあえず私どもは概算10兆円、これを10年程度で仕上げることを基本に計画を進めています。
 維持費については最後に申し上げますが、費用対効果、経済的妥当性を左右するひとつのポイントとなります。維持管理費がなるべく安く済む方法を編み出していくことが大事です。そして海底トンネルを維持するための点検システムを毎日どうするか、月単位でどうするか、毎年どうするか、さらには長期的に見てシステム全体の取替改良をどうするか、という視点に立ち、日々の業務を決め、そのコストを算出することが重要です。

7.建設費用の調達
 建設財源を考える上で参考になるのが英仏海峡トンネルです。英仏海峡トンネルの場合は広く世界的な規模で民間の資金を募り、原則的には全て民間でスタートしました。しかし工事費用の増高、輸送量の変動、フェリーボートあるいは航空機との競争があり、民間的な償還を必要とする資金だけでは成り立たなくなりました。そして53%の債権放棄を経て新会社を再発足させ、現在は順調に運営されています。
 日韓トンネルの場合、その轍を踏まないためにも基本的に日韓両国の公共事業として位置づけ、その財源に対し双方からのサポートが必要ではないかと考えております。具体的にはトンネルを建設するための60年程度で償還する長期低利な国債や地方債の発行が考えられます。併せてヤード周辺の開発利益の還元を考え、その地域の地価の向上なども考慮して開発利益を還元する方法もあります。
 長期的な国債を中心とした資金調達を基本とし、国際的な資金財団等の支援もいただきながら長期低利のマネープランでプロジェクトを形成していくことが大事です。これは今後の大きな課題であり、それぞれ専門的な皆様の助言もいただきながら手当てをしていきたいと思います。いずれにせよ驚くほどの金額ではなく、10年余りかけて10兆円となれば、両国合わせて年間1兆円程度の工事費を捻出することは日本と韓国のGDP、GNPであれば十分可能であると考えています。

Ⅲ.運営方式と推進方法

1.運営は上下分離方式
 工事費は地質やルートにより変動し、設計や施工法により変化します、これまでの試算では日韓トンネルの建設費用は約10兆円を見込んでいます。日韓トンネルを実現するためには、まず建設に必要な技術的可能性の具体的解決策を明らかにし、併せてトンネル活用による収支採算のとれる仕組みを構築する必要があります。
 日韓トンネルは海底を安全に掘削し、安定した運行を確保するため、大きな投資が必要となります。この資本費用の負担が運営のコストにかかると経営が困難となることが予想されます。英仏海峡トンネルは全額有利子の民間資金により建設し、その返済のため経営が破綻し、53%の債権放棄により再生しました。
 日本の青函トンネルは当初、政府の財政投融資の借入金で建設しましたが、国鉄改革の中で全額国の負担に振替え、公共事業に切替えました。またポンプの取替え等の高額の保守費は国が2/3を負担する仕組みも併用しています。只今建設中の整備新幹線1500kmは基本的に国の公共事業として位置付け、国2/3、地方1/3の公的資金で建設し、運営主体のJRは受益の範囲の使用料だけを貸付料として支払う上下分離になっています。この仕組のおかげで輸送量の少ない整備新幹線もすべて採算がとれるようになり、建設が進んでいます。
 日韓トンネルも日韓両国の公共事業として位置付け、必要により維持管理も併せ保証し、経営の安定を図る必要があります。このため、インフラの建設と保有は公的主体が受持ち、運営は民間が行う上下分離方式の導入が効果的であります(図-7)。

2.共同調査の推進
 対馬と韓国の間の海峡は日韓トンネルの中で技術的に最も注意すべき区間です。その深さは160mから230m程度と見られますが、トンネルが日韓両国の国境を通過するため精密かつ広範囲な調査はされておりません。地形・地質とも不明な点が多く、計画検討が可能なレベルまで調査する必要があります(図-8)。
 これまで長年に亘り、対馬から韓国に至るルートについていろいろな案が並列的に提案されてきましたが、実行案として1本に絞り込む必要があり、当面の最大の課題であります。このような目的を達成するため、日韓両国が協力して取り組むべきことは、対馬と韓国の間の海域について必要な調査を共同で行うことであります。海底の地形、地質、水深、地下水の挙動、断層の形状などの必要データを揃え、共通の認識により最適路線を選定する必要があります。

3.トップの決断と国民の理解
 ノ・テウ(盧泰愚)大統領が1990年5月に日本の国会で演説し、その最後を次のように締めくくりました。「来る世紀には東京を出発した日本の青年が玄界灘の海底トンネルを通過して、ソウルの親友と一緒に北京とモスクワに、パリとロンドンに、大陸を結び世界をひとつにつなぐ友情に満ちた時代を共に創造しましょう」 私は当時、参議院議員で大統領の演説をじかにお聞きし非常に感銘を受けました(写真-3)。
 大統領の提案に対し、翌年5月に海部俊樹首相が韓国に赴き賛意を表明しました。以降、2000年9月にはキム・デジュン(金大中)大統領が訪日し日韓トンネルの建設を提唱、それに対し同年10月のアジア欧州首脳会議(ASEM)で森喜朗首相が「大きな関心を持っている」と呼応、さらに2003年2月にはノ・ムヒョン(廬武鉉)大統領が青瓦台での小泉純一郎首相との首脳会談で日韓トンネルの必要性に言及しました。
 これらの流れを受けて、2010年に日韓両国の外務省主導のもと日韓双方の学者26名が「日韓新時代のための提言」の21の行動計画を作成しました。その「アジェンダ21」のなかで唯一のハードウェアとして日韓トンネルの推進が盛り込まれました。
 大きなプロジェクトを動かすためにはトップの強い決断も必要です。200年以上にわたり建設と中止を何度も繰り返した英仏海峡トンネルは、サッチャー英国首相とミッテラン仏大統領の合意により実現しました。両首脳はカンタベリーで合意し手を握り合い「では一緒にやりましょう。もう二度と英仏は戦争をしません」と誓いを交わし、それから一気に英仏海峡トンネルの建設が進みました。
 日韓トンネル実現に必要なことはトップの決断とそれを支える国民の理解です。国民の皆様がどれだけこの計画を理解し、やろうという気持ちを持つかが大切です。一人でも多くの方にこの計画をご理解戴き、協力をお願いすることが最大の課題になると思います。いろいろな考え、立場、利害があっても、大局的に見て日韓トンネルが日本と韓国そして東アジアの発展のためにも大変な力になることを皆様方にご理解戴ければ、日韓トンネルは出来上がります。

 盧泰愚大統領の国会演説
 写真-3 ノ・テウ(盧泰愚)大韓民国大統領の日本国会演説(1990年)


4.心のトンネルを掘る
 2013年に開通したトルコ150年の夢「ボスポラス海峡横断鉄道トンネル」は、アジア大陸とヨーロッパ大陸を新たな鉄路で結びました。東京からソウルへ、そしてシルクロード・シベリア鉄道を経て欧州に至り、さらに英仏海峡トンネルを通ってロンドンに至る幸の道を共に拓きましょう。
 重要なことは一人一人がこの日韓トンネルの役割を理解し、それぞれ出来ることをやることだと思います。政治面では日韓両国は難しい立場にあり、中国とも同じような関係にありますが、政治が難しい時は民間の力でできることをやれば良いと思います。技術的な課題の積み上げは民間の力でもできます。また学問的分野での交流も可能です。そして一番大事なことは国民の一人一人が日本と韓国が仲良くしていくために、「できることをする」ことです。旅行ひとつするだけでも大きな力になります。そして一人一人が日本と韓国を結ぶ「心のトンネル」を掘ることです。友達を作り、そして将来も一緒にやっていこうという「心のトンネル」を掘る仕事は誰でもできます。これをぜひ提案したいと思います。
 日韓両国が将来50年、100年と発展していくために、日韓トンネルを支える国民多数が掘る心のトンネルを大きく強くすることが大事だと思っています。

   玄海の灘超え の通い合う 
   で掘ろう このトンネルを
 
この和歌(※)は、この仕事に対する私の気持ちを詠んだものです。皆が今できることをする。その積み重ねが大きな輪となり、やがて北朝鮮や中国も参加した取り組みが成立し、東アジアに共存共栄の時代が来ることを信じてやみません。
 

 東京―北京間の直通路線    主な駅間所要時間
東京・ソウル・北京間の直通路線    到達所要時間(時間・分)表定速度300km/h

 東京―ソウル―北京間の各駅間所要時間
 東京・ソウル・北京間の主要駅間距離(km)

※ 和歌は韓国語の原文では省かれていたが、文脈上、表示したほうが良いと考え、筆者(野澤太三)の許可を得て和歌を挿入した。

(訳責:特定非営利活動法人日韓トンネル研究会事務局)

原文は下記からご覧ください。

・単行本「ユーラシア新時代のための韓日トンネル」の該当部分
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