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【資料名】 朝鮮日報:崔青林コラム,韓日産業技術フォーラム「ピラミッド型産業構造」 , 1994.10.5. 

ピラミッド型産業構造
崔青林コラム

 
 先月30日から2日間にわたり、日本の箱根で開かれた韓日産業技術フォーラムは、両国の産業構造の改編案と技術協力問題を集中的に論議した。このフォーラムでは、まずこれまで日本の産業経済力の源泉であった「ピラミッド型産業構造」または「フルセット型産業構造」が、今後も維持してゆけるかという問題が提起された。
 日本もフルセット型産業構造の維持がしだいに難しくなっているが、その理由は生産施設の海外移転および系列関係の崩壊、技術者の育成難などで中小企業の活力が下火になっているからであると分析される。
 韓国はもともと大企業中心の「組立産業構造」で編成されており、輸出が増加すればするほど、また経済が成長すればするほど日本の部品、素材、機械類をより多く輸入し、対日貿易赤字が増えてゆかざるを得ないという事実が改めて指摘された。
 したがって韓日両国は共にピラミッド型産業構造を維持、構築するため、中小企業および中堅企業を育成すると共に、独創的な研究開発能力を持っ模範企業の創出が必要だとの意見が多く出た。
 しかし世界経済の流れと賃金格差、為替変動の推移、基盤技術の蓄積度などから推し量ると、自国の国境内でピラミッド型の堅固な産業基盤を固めるのは困難であるため、アジア的な視角あるいは地球的(グローバル)な視野から生産立地を分散配置するという問題が、ますます重要な課題になっているのである。アジア地域全体を考慮して産業構造を調整するとき韓国と日本が相互補完的に協力する分野があるかもしれないという見解が台頭した。日本では老朽産業になっており、円高などですでに採算性が悪化しているテレビジョン、VTRなど主要品目を、東南アジアだけでなく我が国にも移転するという問題が検討されているという話も出た。日本の体面と業界の合意がないため、まだ具体的な結論が
出てはいないが、テレビジョンのような「限界品目」をいつかは韓国などに移転せざるをえないということだ。
 いわゆる「新社会間接資本」で、韓国が参与できる分野が相当広がり得るという意見も出た。日本は約550兆円を掛けて、▲日本、韓国、中国、香港を結ぶ新幹線のトンネル化、▲ロシア、韓国、日本を貫通する天然ガスパイプラインの建設、▲日本、韓国、シンガポールを結ぶ情報高速ハイウェイ構築などを推進しており、この壮大な事業を新社会間接資本事業と呼んでいる。

新社会間接資本
 この社会間接資本事業が本格化すれば、技術および資本面で多者間の協力が不可避であるとの話だった。この世紀的な事業はアメリカおよびヨーロッパの資本と技術の参与を巡る経済摩擦が不可避であろうと筆者は予想するが、日本側はアメリカの圧力に対し、韓国も日本と手を握って共同対処しなければならない日が遠くないことを強調した。
 日本側はまた今回のフォーラムで「社会技術」(交通、保険)、「場の技術」(環境)、「未来技術」(マルチメディア)などの分野で、韓日両国が協力する分野があるかもしれないという我が方の意見に対し、ある程度は同意した。このような社会性と未来性を帯びる21世紀産業の分野は、日本としてもまだ投資が僅かな分野であり、韓国との共同開発と投資協力の可能性が高いという意味であった。……【以下翻訳省略】


訳責:特定非営利活動法人 日韓トンネル研究会事務局

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